除湿機・加湿器のしくみ:空気中の水はどう動く?

「同じ部屋なのに、湿度計が60%だったり40%だったりする…どっちが正しいの?」
「除湿機って、水がタンクにたまるけど、あれって“空気から取った水”なの?」
「加湿器の近くに白い粉が…これ何!?」
湿度まわりって、体感も数字もズレやすくて、家族で混乱しやすいポイントなんだよね。
結論を先に言うと、
- 除湿機は“空気を冷やす or 乾燥材に吸わせる”ことで、水を取り出す装置
- 加湿器は“水を空気に渡す”ことで、空気中の水を増やす装置
- そして最大の落とし穴が、湿度(相対湿度)が温度で変わって見えること
今日はこの3つを軸に、「空気中の水はどう動いているのか」を、家の中の例で分かりやすくまとめるよ。
湿度(しつど)って何?「相対湿度」のワナ

湿度は「空気の中の水の量」…だけど数字はややこしい
空気には、目に見えない水が混ざっている。
これが 水蒸気(すいじょうき)。
湿度は「空気の中にどれくらい水蒸気があるか」を表すんだけど、普段よく見る湿度計は多くが 相対湿度(そうたいしつど)。
相対湿度を超ざっくり言うと、
今の空気が“持てるだけの水”に対して、どれくらい水が入っているか(%)
ここで大事なのは、空気が持てる水の上限は温度で変わるってこと。
同じ水の量でも、温度が下がると湿度は上がる
たとえば同じだけ水蒸気が混ざっている空気でも、
- 暖かい空気:たくさん水を抱えられる → 相対湿度は低めに見えやすい
- 冷たい空気:抱えられる水が少ない → 相対湿度は高めに見えやすい
だから「冬の部屋、湿度50%なのに乾く感じがする」みたいなズレが起きやすい。
これは「水が少ない」のに「割合がそれなりに見える」パターンがあるから。
(ここは体感の話なので、数値は目安。家の気密や暖房の種類でも変わるよ。)
結露(けつろ)は“空気が抱えきれなくなった水”
窓がびしょびしょになる結露。あれは空気中の水が増えたというより、
冷たい面に触れた空気が冷やされて、水を抱えきれなくなり、水が出てきた
って現象。
コップに冷たい飲み物を入れると、外側が濡れるよね。あれと同じ。
空気は冷えると「水を持てる上限」が下がるから、余った分が水滴になる。
つまり結露は、湿度と温度の“チームプレー”で起きる。
「湿度が高い=必ず悪い」でも「低い=必ず良い」でもない
湿度は高すぎても低すぎても、生活上の困りごとが出やすい。
ただしここはYMYLに触れやすいので、断定や健康効果の言い切りはしないでおくね。
この記事では「湿度を思い通りにする道具=除湿機・加湿器」を理解するのがゴール。
この記事のポイント
- 湿度計の多くは 相対湿度で、温度の影響を強く受ける
- 空気が抱えられる水の上限は、温度が高いほど増える
- 結露は「水が増えた」だけでなく、空気が冷えて抱えきれなくなることで起きる
- 湿度は温度とセットで見ると混乱しにくい
Q&A
-
湿度50%って何の50%?
-
多くの場合「相対湿度」で、“その温度の空気が持てる最大の水”に対して今どれくらい持っているかの割合だよ。
-
冬は加湿してるのに乾く感じがするのはなぜ?
-
温度や暖房で空気が変化すると、相対湿度の見え方と体感がズレることがある。湿度は温度とセットで考えると納得しやすいよ。
-
窓がびしょびしょになるのは、加湿しすぎたせい?
-
加湿が影響することもあるけど、「窓が冷たい」ことが大きい場合もある。冷たい面で空気が冷やされると結露しやすいからね。
除湿機の2大方式:コンプレッサ式とデシカント式

除湿機は、空気中の水を“取り出してタンクに集める”装置。
方式は大きく2つ(+組み合わせのハイブリッド)だよ。
1) コンプレッサ式:空気を冷やして水をしぼる(結露を作る)
コンプレッサ式は、冷蔵庫の仕組みにちょっと似ている。
- 空気を取り込む
- 冷たい部分(冷却器)で空気を冷やす
- 冷やされた空気は水を抱えられなくなる
- 余った水が 結露して水滴になる
- その水をタンクに集める
つまり、空気から「水滴」を作って回収してるんだ。
この方式が得意なのは、基本的に 暖かくてジメジメした季節。
空気に水が多いと、冷やしたときに回収できる水も増えやすいからね。
(逆に寒いと、空気中の水が少なめだったり、冷やす効率が落ちたりして、回収量が減りやすい傾向がある。)
2) デシカント式:乾燥材(かんそうざい)に水を吸わせる
デシカント式は、空気を冷やす代わりに 乾燥材(水を吸う素材)に水を吸わせる。
ざっくり流れはこう。
- 空気を乾燥材に通す → 水分が吸われて乾いた空気になる
- 吸った水分を回収するため、別の空気で乾燥材を温める
- 温められた水分は蒸気になって集められ、最後に冷やして水に戻してタンクへ
“吸わせる→取り出す”を繰り返しているイメージだね。
デシカント式の強みは、寒い季節でも動きやすいことが多い点。
ただし温める工程があるので、運転中に室温が上がる感じが出る場合もある(部屋が暑く感じる、みたいなね)。
「部屋が暑くなる」ってどういうこと?
どちらの方式でも、取り出した水は「空気中のエネルギーの移動」とセット。
ざっくり言うと、除湿は
- 空気の水を減らす
- そのために熱のやり取りが起きる
ので、体感として温度変化を感じることがある。
特にデシカントは“温める工程”があるので、暑く感じやすいタイプとして語られがち。
タンクの水って飲めるの?
これは大事。飲まないが安全側。
除湿機の水は、空気から取った水で、装置の中を通ったり、タンクが衛生的に管理されていなかったりすることもある。
飲み水としての品質を保証するものではないから、飲用にはしないでね。
この記事のポイント
- コンプレッサ式は 空気を冷やして結露させて回収する
- デシカント式は 乾燥材に吸わせて回収する
- 得意な季節・体感(暑さ・音など)は方式で違いやすい
- 除湿機のタンク水は 飲用にしないのが安全
Q&A
-
除湿機はどこから水を作ってるの?
-
空気中の水蒸気を、冷やして水滴にしたり、乾燥材で吸って回収したりして集めてるよ。
-
冬でも除湿したいときはどっちが向く?
-
状況によるけど、寒い季節に動きやすいとして語られるのはデシカント式が多い。とはいえ部屋の広さや使い方で変わるから、方式の特徴を知って選ぶのがコツ。
-
除湿機を回すと部屋が暑くなるのは故障?
-
方式によっては体感が暑く感じやすいことがある。異常な熱さや異臭・異音が続くなら使用を止めて説明書に従ってね。
加湿器の方式:気化・超音波・スチーム

加湿器は「水を空気に渡す装置」だけど、渡し方がいくつかある。
代表的な方式はこの3つ。
1) 気化式:水を“自然に蒸発”させる(扇風機タイプ)
気化式は、フィルター(濡れた紙や布のようなもの)に水を含ませて、そこに風を当てて蒸発させる方式。
- 水が蒸発するには、周りから熱を奪う(気化熱:きかねつ)
- だから、体感としては“熱くならない”ことが多い
- ただし、部屋の状態によって加湿量が変わりやすい(自然に近い)
「自然に近い方式」と言われるのはこういう理由。
2) 超音波式:水を細かい霧(きり)にして飛ばす
超音波で水面を細かく振動させて、目に見える霧を作って出すタイプ。
見た目が分かりやすくて、加湿してる感が強い一方で、注意点もある。
- 水の中の成分(ミネラルなど)も一緒に飛びやすい
- それが周りに付いて 白い粉っぽく見えることがある(環境や水質による)
- 清掃(せいそう)をサボるとニオイやヌメリの原因になりやすいことも
「白い粉=危険!」みたいな断定はしないけど、気になるなら水や手入れ方法を見直すサインにはなる。
3) スチーム式:加熱して蒸気を出す(やかん方式)
水を加熱して蒸気にして出す方式。
加熱するので、冬場は“あったかく感じる”こともある。
ただし家庭で一番気をつけたいのはここ。
- やけど(熱い蒸気・熱い本体)
- 小さい子やペットがいる家は、置き場所が超重要
「安全に使う」って意味では、方式よりも運用(置く場所・触れない工夫)が勝つことも多いよ。
加湿の落とし穴:過加湿(かかしつ)で結露が増えることも
加湿すると空気中の水が増える。
すると、冷たい窓や壁で結露が起きやすくなることがある。
だから加湿は「とにかく増やせばいい」ではなく、
- 部屋の温度
- 窓の冷たさ
- 換気
とセットで考えると失敗が減るよ。
この記事のポイント
- 気化式は「蒸発」で自然に近い加湿。環境で加湿量が変わりやすい
- 超音波式は「霧」で見た目が分かりやすいが、水の成分が付着して白い粉が出ることがある
- スチーム式は「加熱」で蒸気を作る。やけど対策と置き場所が重要
- 加湿しすぎると、冷たい面で結露が増えることがある
Q&A
-
超音波の“霧”って水蒸気?
-
目に見える白いものは、細かい水の粒(ミスト)のことが多いよ。水蒸気は基本、目に見えない。
-
白い粉が出るのはなぜ?
-
水に含まれる成分がミストと一緒に飛んで付着して見えることがある。気になるなら水や手入れ方法、置き場所を見直すと改善する場合があるよ。
-
加湿しすぎるとどうなる?
-
環境によっては結露が増えたり、ジメジメを感じたりすることがある。湿度計と窓の様子を見ながら調整するのが安全だよ。
生活で使えるコツ:置き場所・換気・洗濯物の乾き方

ここが一番「家の中で効く」パート。
装置の性能だけじゃなく、置き方と空気の流れで結果が変わりやすい。
置き場所の基本:空気の通り道を作る
除湿も加湿も、結局は「空気を動かす仕事」。
- 壁に近すぎると吸い込み・吹き出しが弱くなることがある
- 家具の裏は空気がたまりやすい
- ドアを閉めると、効果が“その部屋”に集中しやすい(逆に広い家全体は時間がかかりやすい)
コツは「装置の前後左右に少し余白」「吹き出し方向をふさがない」。
換気(かんき)は敵じゃない:目的で使い分ける
よくある疑問がこれ。
「除湿してるのに換気したら意味ない?」答えは、目的による。
- 外がカラッとしている日:換気は“無料の除湿”になり得る
- 外がジメジメの日:換気で湿気が入ってくることもある
- ニオイやこもり感を減らしたい:換気は有効な場合が多い
つまり、換気は“正義でも悪でもなく道具”。
天気と目的で使い分けると、家族で揉めにくい(笑)
洗濯物を早く乾かしたいときの考え方
洗濯物が乾く条件はシンプルで、
水が「布 → 空気」に移動できるかどうか
移動を速くする要素は、
- 風(空気を動かす)
- 空気が乾いている(湿度が低め)
- 温度が高め(蒸発しやすい)
だから「除湿機+風(サーキュレーター)」が効きやすいと言われることが多い。
ただし、やりすぎて事故になったら元も子もないので、
- 転倒しない場所
- 吹き出し口をふさがない
- 説明書の範囲で使う
ここは守ってね。
湿度計はどこに置く?「顔の高さ」と「窓際NG」
湿度計がバラつく原因の一つが“置き場所”。
- 窓際:冷えやすく結露しやすい → 数字が振れやすい
- 床:冷たい空気がたまりやすい
- 加湿器の真横:局所的に高く出やすい
おすすめは、ざっくり
- 部屋の中央寄り
- 人が過ごす高さ(机の上〜胸くらい)
- 直風が当たらない
これで「体感とのズレ」が減りやすいよ。
この記事のポイント
- 除湿・加湿は「空気を動かす仕事」なので、置き方で効きが変わりやすい
- 換気は敵ではなく、外の湿り具合と目的で使い分ける道具
- 洗濯物は「風+乾いた空気+温度」で乾きやすい
- 湿度計は窓際や直風を避け、生活空間の高さに置くとズレにくい
Q&A
-
窓を開けたら除湿の意味ない?
-
外が乾いていれば換気がプラスに働くこともあるし、外がジメジメなら湿気が入ることもある。天気と目的で使い分けるのがコツだよ。
-
洗濯物の下に除湿機を置くと早く乾くのはなぜ?
-
布から出た水分を含む空気を、除湿機が回収しやすいから。風を当てるとさらに水が移動しやすくなる。
-
湿度計はどこに置くのが正解?
-
窓際や加湿器の真横など“偏る場所”を避けて、部屋の中央寄り・生活の高さに置くと体感に近づきやすいよ。
まとめ:湿度は「温度×水」のチーム戦。除湿・加湿は“水の移動装置”
湿度で混乱する最大の理由は、相対湿度が温度で変わること。
そして結露は、空気が冷やされて 水を抱えきれなくなると起きる。
除湿機は、空気から水を取り出す装置。
- 冷やして結露させる(コンプレッサ式)
- 乾燥材に吸わせて回収する(デシカント式)
加湿器は、水を空気へ渡す装置。
- 蒸発で渡す(気化式)
- ミストで飛ばす(超音波式)
- 加熱して蒸気にする(スチーム式)
最後に効くのは、置き場所と空気の流れ。
家電を“魔法の箱”にしないで、空気中の水をどう動かすかで考えると、家族で納得しやすいよ。
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